私自身、神奈川県出身でうん十年前に高校受験をしましたが、その当時とは入試制度がずいぶん変わっています。

令和7年度(2025年度)現在の神奈川県の高校入試では、「S値(エスち)」という独自の合否基準が使われていて、
このS値を正しく理解しておくことが、志望校選びや合格の目安を考えるうえでとても大切です。

この記事では、

  • S値とは何か?
  • S1値・S2値の違い
  • 具体的な計算方法

をわかりやすく解説し、実際に自分のS値を簡単にチェックできる計算ツールもご用意しました。

入試までの勉強計画や志望校決定にぜひ役立ててくださいね!

※本記事の内容は令和7年度入試に基づいています。制度は変更になる可能性がありますので、最新情報は各高校や教育委員会等の公式発表をご確認ください。

説明はいいから計算ツールだけ使いたい!という方はこちらから↓

神奈川県の高校受験は「1回勝負」でも選考は2段階

神奈川県の公立高校入試は、原則として一度きりの学力検査で合否が決まります。

試験は2月中旬に一斉に行われ、追試などを除けば、全員がこの1回のチャンスに挑むことになります。

ただし、合否の判定は2段階の選考(第1次・第2次)を通じて行われます。

ここが少しわかりにくいポイントなので、しっかり押さえておきましょう。

【第1次選考】合格者の約90%がここで決まる

1次選考では、以下の資料をもとに点数化して「S1値」というスコアを計算し、その点数が高い順に合格者が決まります。

  • 調査書(内申点)
  • 学力検査(当日点)
  • 特色検査(実施される高校のみ)

このS1値が、神奈川県入試のいちばん中心となる合否の判断材料です。

この時点で使用される内申は「中2後期+中3後期中間」の成績で、学校から正式に出されるものです。

後期の中間テストまでの内申で、長女の場合11月23日に確定の内申が出ました。

つまり、3年の成績は12月までが超重要!ということになります。

1次選考の合格者は募集定員の90%。募集定員が100人だとしたら、90人はS1値を使って考査されます。

【第2次選考】残りの10%がここで決まる

2次選考では、内申点の代わりに「主体的に学習に取り組む態度」という観点別評価が使われます。

  • 学力検査(当日点)
  • 観点別評価(3年次のみ)
  • 特色検査(実施される高校のみ)

ここで算出されるのが「S2値」です。

S2値の高い順に、残りの合格枠(10%)が決まります。

募集定員が100人であれば、S1値で合格した90人名を除き、残りの受験者からS2値が高い順に10人合格します。

この「主体的に学習に取り組む態度」は、通知表に出てくる◎〇△のような観点別評価です。

  • A゜A…3点
  • B…2点
  • C゜C…1点

全9教科の「主体的に学習に取り組む態度」の合計点(27点満点)です。

C評価が多くなると、2次選考で不利になる可能性があるため、通知表の“中身”も要チェックポイントです。

主体的に学習に取り組む態度は、提出物が出せているか、提出物の質、授業態度などで評価されるため、仮にテストの点がよくなくても、授業にしっかり取り組めば点数がもらえる項目なので、普段から意識して良い評価がもらえるようにしておきましょう。

S値ってどうやって計算するの?

S値の計算には、以下の4つの要素が関わります。それぞれを100点満点に換算した上で、学校ごとに定められた評価比率をかけて合計します。

A値…内申点(中2後期+中3後期×2) ÷ 135 × 100
B値…学力検査(5教科500点)÷ 500 × 100
C値…主体的に学習に取り組む態度(3段階×9教科) ÷ 27 × 100
D値…特色検査(150点満点など)÷ 150 × 100

進学校で特色検査がある場合はS値の満点が1000点を越えますが、塾なしブログは特色検査を受ける方向けではないので特色検査の詳細には触れません。

「S値の計算って難しそう…」と思うかもしれませんが、一度計算式を理解してしまえばシンプルです。

この記事に計算ツールもありますので、ぜひ活用してくださいね。

ただし、デザイン科などで学力検査が国数英の3教科、特色にデッサン、などがある場合あります。

特色検査がある場合の計算ツールは載せていないません。要望があれば載せようと思います。

S1値とS2値の違いまとめ

比較項目S1値S2値
使われる選考第1次選考第2次選考
内申の使い方内申点
(中2後期+中3後期×2)
主体的に学習に取り組む態度
(3段階×9教科)

S1値は中学2年後期の内申も反映します。

中学2年後期の成績は、中学2年生の1年を通しての成績です。

仮に後期にものすごーーく頑張ったとしても、前期に3だった評定が5に上がることはなかなか難しいです。

そのため、中2の春から受験を意識して、1点でも多く内申が上がるように授業に取り組むようにしましょう!

逆に、主体的に学習に取り組む態度は中3の後期中間のみです。中2の成績は反映されません。

中2の成績があまり芳しくなかった…という場合でも、中3から巻き返しは可能です!

もちろん、中3後期中間の内申は、中3前期の内申も影響するので春からしっかりと取り組まなければなりませんが、テストとは違い、提出物や授業態度など、取り組もうと思えばだれでもできる取り組みで、評価を上げることができる項目です。

テスト苦手なんだよな…という場合こそ、ここで点数が稼げるように頑張りましょう!

評価比率ってどの高校も一緒なの?

内申と学力検査から出すS値ですが、評価比率高校ごとに異なります。

  • 5:5(最も多い)
  • 4:6(当日点重視)
  • 2:6:2(特色検査あり)
  • 8:2(当日点+態度のみ)

上記のように、内申、当日点共に評価する高校、内申点重視、当日点重視、など様々です。

学力と内申のどちらに重きを置くかは学校ごとに異なります。

たとえば、

  • 内申が得意なお子さん → 内申重視の学校
  • 当日の試験で勝負したいお子さん → 当日点重視の学校

このように、お子さんの特性に合わせて学校選びを工夫するのも一つの戦略です。

実際にS値を計算してみよう!

では実際にS値を計算してみましょう。計算ツールを用意しました!

受験に使う内申点は12月ごろまで出ないので、現在の内申点で構いません。十分参考になります。

下記に内申点または主体的に学習に取り組む態度の合計点・当日点・比率を入れるだけで、S1値・S2値の目安が分かります!

ぜひシミュレーションに活用してみてください!

S1値計算ツール

S1値計算ツール













結果:

S2値計算ツール

S2値計算ツール











結果:

まとめ|偏差値だけでなく「S値」を見る時代

神奈川県の公立高校受験は、偏差値だけでは合否が分かりづらいのが特徴です。

だからこそ、「S値」を理解しておくことで、お子さんの今の位置と、志望校に届くために何が必要かが見えてきます。

学校の成績、当日のテスト、生活態度まで、どれも大事な評価材料。

早めに情報を知っておくだけで、親子で焦らず進路を考えることができますので、S値をしっかりと理解して、受験の準備を進めていってくださいね!

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