「S値って聞くけど、どう使えばいいの?」
「うちの子にとって、どのくらいの点数が必要なんだろう…」

神奈川県の公立高校受験でよく出てくるこの“S値(エスち)”、一見ややこしそうに感じるかもしれません。でも実は、志望校合格までの道筋を立てるのに、めちゃくちゃ役立つ数字なんです!

この記事では、実際にS値を活用して偏差値41から第一志望合格を目指した我が家のリアル体験をもとに、

  • S値って何?
  • どうやって使うの?
  • 何点を目標にすればいい?
  • 内申と当日点、どうバランスを取る?

などの疑問に、わかりやすく&具体的にお答えしていきます。


S値って何?まずは基本をおさらい

神奈川県の公立高校入試では、「S値(エスち)」という評価指標が使われます。これは、内申点と入試本番の得点(学力検査)を、同じ土俵で数値化したもので、合否の基準となるスコアです。

受験生一人ひとりの「内申(調査書点)」と「当日点(学力検査)」を100点満点に換算し、高校ごとに決められた比率(評価割合)で加算して、1000点満点のS値として算出します。

S値の計算方法

Step1:内申点と学力検査を100点換算

  • 内申:内申合計 ÷ 135 × 100
  • 学力:入試得点 ÷ 500 × 100

Step2:高校ごとの評価割合でS値を算出

  • 例(評価比率5:5の高校の場合):
     内申換算 × 5 + 学力換算 × 5 = S値(1000点満点)

※特色検査を実施する高校では、特色検査の点数もS値に加算されます。

S値のさらに詳しい計算法や計算ツールは別の記事でご紹介しています!


高校ごとに違う「評価比率」

S値の評価は、すべての高校で同じではありません
神奈川県では、各高校が「内申:学力:特色検査」の比率を独自に設定しています。

たとえば、

  • 評価割合「内申5:学力5」(バランス型)
  • 評価割合「内申6:学力4」(内申重視)
  • 評価割合「内申2:学力8:特色検査2」(学力&特色検査を重視)

といった具合に、志望校ごとにS値の算出方法が異なります。

つまり、同じ成績でも、志望校によって合否の可能性は大きく変わるということです。


第一次選考(S1)と第二次選考(S2)の違い

神奈川県の高校入試は、「第一次選考」と「第二次選考」という2段階の選考方法で合否が判定されます。

第一次選考(S1)

  • 全体の約9割の合格者がこの選考で決定されます。
  • 各高校の「評価割合」に基づいてS値を算出し、合否を決定します。

第二次選考(S2)

  • 残り約1割の枠で行われる選考。
  • S値ではなく、「学力検査(入試の点数)」の比重が大きくなるのが特徴です。
  • 高校によって基準は異なりますが、基本的に「内申点が低い受験生」にもチャンスを与える枠とされています。

※ただし、比率が「当日点8:内申2」など、実力勝負になるため、得点力が必要です。


S値は「戦略の軸」になる!

このように、神奈川の高校入試では、S値の仕組みを知っておくことで、

  • 自分の内申点で、当日何点必要なのか?
  • どの高校なら合格できそうか?
  • 特色検査あり・なしで何が有利か?

など、受験戦略を立てるための大きな指針になります。

S値はただの数値ではなく、志望校合格に向けた「地図」や「コンパス」のようなものです。


例)長女のケース

  • 内申点:95点(2年後期+3年前期×2)
  • 合格に必要なS1値:640

⇒ 当日点は【288点】必要(※S1の比率が当日5:内申5)

入試は500点満点なので、288点というのは1教科あたり約58点の計算。
我が家ではこのラインを「300点」として目標設定しました。

次に、合格に必要なS値をどうやって出したかをご紹介します。


実際どう使った?我が家のS値活用法

S値の仕組みがわかっても、「実際にどう活用すればいいの?」と悩む方も多いと思います。

我が家でも、初めはS値という言葉すら知らず、内申や模試の結果だけを見て志望校を考えていました。
ですが、合否を左右するリアルな指標として「S値」は本当に頼りになる存在でした。

ここでは、長女が塾なしで受験に挑戦した中で、S値をどう活用したのか、どんなふうに点数目標や志望校戦略を立てたのかを、実例を交えて詳しくご紹介します。

塾に頼れないからこそ、「どれくらい取れば合格できるのか?」という明確な基準が欲しい。
そんな方に、S値のリアルな使い方をお届けします。

志望校に合わせた「合格作戦」

長女の場合、模試の結果から正直そこまで当日点がとれるタイプではありませんでした。

そのため、比率5:5の第一次選考(S1値)で合格することが必須
S2(内申8:当日点2)で勝負できるだけの当日点は取れそうになかったからです。

「この内申なら、当日これだけ取らなきゃ無理だよね」
「ここまで取れたら、倍率が高くてもいけそう!」

というように、合格ラインを“見える化”できたのが、S値最大のメリットでした。


使ったツール&サイト

S値の使い方で一番大事なのは、「どのくらい取れれば合格圏内なのか」を自分で判断できるようになること。

そのために我が家で活用したのが、次の3つのサイトでした。


① そわそわネット

いちばん参考になったのが、そわそわネットです。
このサイトは、受験生が匿名で内申・当日点・合否結果を登録する仕組みになっていて、一定数のデータが集まると、合格ラインや平均点、S値の傾向などが見えてきます。

もちろん匿名なので「本当のデータ?」と不安になる部分もありますが、過去の年や同じ学校の受験データをたくさん見ることで、合格の目安が見えてきました

娘が受験した高校はちょっと特殊で、情報も少なかったのですが、それでも合格者のS1値がどのあたりに集中しているかを見ることで、「このくらい取れればいける」と目標が定まりました。


② 合格判定アプリ@神奈川

次に使ったのが、合格判定アプリ@神奈川
これは、現在の内申点を入力すると、合格に必要な当日点を計算してくれる便利なツールです。

我が家では、そわそわネットと併せて「この点数を取ればまず大丈夫」という安全圏をイメージするために使っていました。

ただし、過去に不具合を見つけて運営に連絡したこともあり、あくまで“参考程度”にとどめました

出てくる目標点はやや高めのことが多いので、「ここまで取れれば絶対安心」という基準にはなったと思います。


③ カナガク

最後にチェックしていたのが*カナガク(神奈川県高校受験情報サイト)です。

カナガクでは、各高校の選考基準・過去の合格最低点・倍率・S値の目安などがまとまっていて、そわそわネットや合格判定アプリで得た情報の裏取りのような使い方をしていました。

また、カナガクは塾主催のセミナー情報や、進学塾が出している模試分析も載っていて、入試の難易度や傾向をつかむのにも役立ちました。


サイトを駆使して合格目安のS値を設定

紹介した3つのサイトの情報を照らし合わせて、「合格のためにはS1で640くらいが目安」と判断。

長女の内申は95だったので、S値640を目指すには当日点で288点が必要とわかりました。
これをもとに、我が家では「当日点は目標300点」に設定し、科目ごとの点数配分もそこから逆算して考えていきました。

正確な情報がなかなか手に入りにくい塾なし受験において、この3つのサイトは戦略を立てるうえで欠かせない“武器”だったと思います。


教科別の戦略まで立てられる

目標となるS値を設定すると、必要な当日点が分かり、「どの教科で何点取ればいいか?」という目標設定も可能になります。

例えば長女の場合、目標は300点。

長女は普段の定期テストや模試の結果から、「国語・理科・数学は得意、英語・社会は苦手」とわかっていました。

そのため、得意教科は安定して高得点を狙い、苦手教科は“落としてもいい点数”のラインを決めて、精神的にも余裕を持たせるようにしました。

そういった得意・不得意を考慮して、以下のような内訳で目標点数を設定しました。

教科目標点実際の得点
国語75点86点
数学65点53点
理科70点62点
社会50点57点
英語40点31点
合計300点289点

目標には届かなかったけれど、実際は289点でも合格できました。
(英語は大苦戦…それでもなんとか合格ラインに届きました!)


S値の注意点と「信じすぎない」姿勢も大切

S値は受験対策において非常に有効な目安ですが、「S値が高ければ必ず合格」「この点を取れれば絶対安心」というわけではありません。

特に注意したいのが、以下の2点です:

  • 倍率による変動
     同じ高校でも年度ごとに倍率は大きく変わり、それによって必要なS値も変動します。
  • 自己採点の誤差
     模試や過去問での自己採点と、本番での得点にはズレがあります。S値はあくまで“理想値”です。

我が家では「目標S値は640、当日点300点を目指す」という方針を立てていましたが、実際は289点でした。

それでも合格できたのは、少し多めに点数を見積もって対策をしていたからだと思います。

つまり、S値は「合格するために必要な数字」ではなく、「合格のために備えるべきライン」と考えると、うまく活用できると思います。


まとめ|S値を味方につけて、親子で戦略的な受験を!

神奈川県の高校入試において、「S値」はただの数値ではありません。それは、子どもが目指す志望校に対して、どのくらいの努力と準備が必要かを“見える化”してくれる便利な指標です。

我が家ではこのS値をもとに、志望校を選び、必要な点数を計算し、各教科の目標点数を割り出してきました。そのおかげで、偏差値41からのスタートでも、最終的には第一志望校に合格することができました。

もちろん、S値だけを信じすぎるのは危険です。倍率や本人の調子、出題傾向など、当日の“運”に左右される部分もあります。でも、S値を知っていたからこそ、「どこまで頑張ればいいのか」が明確になり、受験への不安がかなり軽減されました。

今、不安の中で高校受験を見つめている保護者の方へ。ぜひ一度、お子さんのS値を計算してみてください。目標が見えれば、そこに向かって走るだけです。情報を味方につけて、親子で一歩ずつ進んでいきましょう。

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