「模試の結果が悪くて志望校を変えるべきか悩んでいる」
「塾に行っていないから、当日何点取れば合格できるのか正確な目安がわからない」
神奈川県の公立高校入試は、内申点と当日点の比率が複雑で、単純な「5教科の合計点」だけでは合否が見えにくいのが現状です。
わが家の長女も、塾なしでの受検。親として一番怖かったのは「真っ暗闇の中を走らせること」でした。
そこで私たちが取り入れたのが、自作のS値計算ツールを使った「徹底的なシミュレーション」です。
今回は、長女が実際にどうやって目標点数を決め、本番で合格を勝ち取ったのか、その戦略を詳しく解説します。
ステップ1:目標校の「ボーダーS値」を特定する
まずは、合格のために超えるべき「最低ライン」を知ることから始めました。
ここで、志望校の昨年度のS値ボーダー(合格者最低点付近の数値)を確認します。
これを「絶対死守するライン」として設定しました。
上記のカナガクさんのリンクは特色のなしのS値のみなので、特色ありの高校の場合は、塾情報やそわそわネットさんの過去情報をご覧ください。
ステップ2:S値計算ツールで「持ち点」を可視化する
次に、わが家のブログで公開している「S値計算ツール」を使います。
- 確定している内申点を入れる
- 直近の模試や過去問の点数を入れる
ここで大事なのは、「今のままではあと何点足りないのか」を具体的な数値(S値)で突きつけられることです。
長女も最初は「あとS値を30上げなきゃいけないんだ…」と、現実を直視するところからスタートしました。
S値計算ツール
ステップ3:長女専用の「合格配分」を作る
ここからが「塾なし戦略」の本番です。
長女の場合、内申点から逆算すると、安心して合格できる当日点の目安は300点でした。
しかし、全教科で平均60点を取るのは、得意不得意がはっきりしている長女には酷な話。
そこで、模試の結果を分析し、「これなら取れる」という教科別の配分を決めました。
【実録】長女の戦略的目標点数
| 教科 | 目標点 | 戦略のポイント |
| 国語 | 75点 | 漢字と古文は満点を狙い、記述で部分ぎを狙う「稼ぎ頭」。 |
| 数学 | 65点 | 難問(大問の最後)は捨て、問1〜問3の計算と小問を絶対ミスしない。 |
| 英語 | 45点 | 苦手科目。リスニングと単語問題、並び替えに集中し、長文は拾えるところだけ。 |
| 理科 | 70点 | 長女の得意分野。計算問題と実験図を固めて高得点を狙う。 |
| 社会 | 45点 | 範囲が広く点数が安定しないため、歴史の重要項目と地理の図表問題に絞る。 |
| 合計 | 300点 | 5教科トータルでボーダーを上回る設定! |
ステップ4:足りない場合・足りている場合の「想定」
ツールを使う最大のメリットは、「もしも」のシミュレーションができることです。
点数が足りない場合
現在の内申、直近の模試や過去問の点数でのS値が、必要なボーダー値に届かなかった場合は、得意教科を伸ばすことにフォーカスしましょう。
やはり、苦手科目を伸ばすのは、入試までの時間がなくなればなくなるほど難しくなってきます。
その時に有効なのは、得意科目の中で、点数の取れ方に揺れがあるところを伸ばすことです。
長女の場合、理科は得意科目でしたが、電池(ボルタ電池、ダニエル電池)の分野の暗記が曖昧で、点数がとれたりとれなかったりしました。
電池の分野は過去問を見ても頻出なので、ここをしっかりと覚え直すことで、不安定な得点源を確実な得点源になるようにしました。
点数が足りている場合
ボーダーに達してるという場合でも安心はできません。
入試当日は何があるかわかりません、得意科目でも運悪く点を落としてしまう事もあります。
そこで、「もし数学でミスして55点に落ちても、国語を75点とれれば、ボーダーは超えられる。」という最低点を取った時のシミュレーションをしました。
実際入試では、英語から自己採点を始めて、40点目標の英語が31点しか取れておらず、母子で絶望したのを覚えています…。
合格できた今では笑い話ですが、予定していた点数よりも取れないというのはザラにありますので、難しい分野や苦手分野を伸ばすよりも、得意分野や不安定な得点源を確実にとれるようにすることが、合格への最短ルートになると思います。
この目標設定が「学習の質」を変えた
この配分を決めてから、長女の勉強法はガラッと変わりました。
「全部やらなきゃ」という焦りが消え、「理科で70点取るために、この単元だけは完璧にしよう」「英語は45点でいいから、基本単語だけは毎日やろう」と、学習が具体的になったのです。
全県模試を受けていると、分野ごとの正答率・正答率の推移も見ることが出来ます。
模試の点数や普段の勉強からでは得意不得意の分野を判断できない…という場合は、模試の結果も参考に”伸ばせる分野”と”確実にとりたい分野”の見極めを行ないましょう。
まとめ
合格に必要なのは、全教科で満遍なく点を取ることではなく、トータルで「ボーダーの1点上」を確実に掴み取ることです。
お子さんの得意なこと、苦手なこと。一番近くで見守ってきた親御さんだからこそ作れる「合格への配分」が必ずあります。
- まずは「S値計算ツール」で現実を知る
- 親子で「作戦会議」をして目標点を決める
- 「これならできる!」という自信を持って、一歩踏み出す
受検直前期は、不安で親子の空気が重くなりがちです。でも、数字という根拠があれば、不安は「やるべきこと」というエネルギーに変わります。
暗闇の中をがむしゃらに走るのではなく、ゴールまでの距離を測りながら一歩ずつ。
わが家の戦略が、今まさに頑張っている受験生と、それを支える親御さんの希望になれば幸いです。


